2001年1月30日火曜日

NPOのこれから

1月29日、私はアメリカから来日したカリフォルニア州アラメダ郡衛生局のデビッド・キアーズ氏の講演を聴く機会に恵まれました。新しい「ガバナンス」アメリカの行政改革とNPOパートナーシップという演題でした。それは日本のNPO の30年後といった話しともいえるかもしれません。
アメリカの行政とNPOの役割分担の背景には、アメリカの行政があらゆる分野において「サービスの提供者」から「サービスの購入者」へと変換しつつある。その大きな理由は多くの行政の課題解決を考えるなら、対象者により近いNPOに任せた方がいいという明確な理由からだそうです。

もちろん日本の現状はNPOという団体の存在そのものがまだ少なく「サービスの提供者」であるNPOを捜すこと自体困難です。また、税制面からも解決すべき課題が山積しています。しかし行政とNPOの今後の関係を考えた時、行政がNPOをどう捉えているかアメリカの事例に耳を傾けていると今後日本も大きく変化していくだろう事が十分予想される内容でした。
他の外郭団体の例から考えてもNPOが資金提供を受けながら行政と対等関係を保つことは現状では困難な事です。どう行政と対等関係を保ちながら連携していけるかが今後の大きな問題です。私自身が目指している市民自治が確立した社会システムの中でNPOと行政との役割分担は大きな課題と考えています。

今回、アメリカで実行されているパートナーシップを前提とした相手とのコミュニケーションをとる努力について知った事で課題解決への答えが少し見え気がしました。 また最後にキアーズ氏が語った言葉は、最近トーンダウンしていた私の胸に響くものでした。
「行動を起こす事です。行動しない限りあなたにとってどんな知識も意味を持たない」と。