2008年7月18日金曜日

中心市街地デザイン・コンセプトづくりは、市民の視線に立ち,公平性や透明性を確保しながら進めるはずだったのでは

 半年ぶりの日記になってしまいました。 6月一般質問では、市民自治の視点から、人材、施設の活かし方、そして中心市街地デザイン・コンセプトづくりの進捗状況と市民参加の確保について質問しました。特に、中心市街地のデザイン・コンセプトづくりについては、副市長は、昨年12月議会での一般質問に対して、「駅前広場が南北一体化され鉄道跡地が連続した都市空間が生まれる、ここの有効活用と、まちの記憶を残しながら他都市にはない魅力ある空間にするための設計を進めるに当たっては、市民の視線に立ち,公平性や透明性を確保する必要があり、設計者の選定には基本的に企画提案を評価するプロポーザル方式を検討している。その審査についても専門的な見地からの評価と合わせて、広く市民の御意見が反映される手法によって進めたい」と答弁された経緯からも当然、透明性の高い進め方で行われていくものと受け止めていました。が、前回の仙川の複合施設で、特に保育園の部分に起きたような納得しがたい、結果として税金の二重投資になった苦い経験を繰り返さないためにも、何のためのまちづくりか根本的な機能や理念が無視されたデザインや建造は二度とあってはならないという意味もあって、現在どのように進められているかについて質問しました。 

 その結果、市民に大きな影響を及ぼす業者選考にもかかわらず、4月24日には、すでに業務委託について指名するための14業者が選定され、業務内容説明会が開催されていた事実に始まり、業者選定の手続きについて、業者の選考基準、選考委員会等、そのプロセスも含め、議会に対して何も具体的な情報提供をしてこなかった事実はもとより、業務委託に関する具体的な質問については曖昧な答弁に終始し、副市長答弁にあった市民の視点に立った公平性や透明性も確保せず進めてきた事が明らかにされました。質問時点では14社中の3社が企画に着手しているとの事でしたので、公平性や透明性を確保する意味からも事業者決定にあたっては公開審査に変更すべきと提案しましたが、叶いませんでした。(質問の詳しい内容についてはホームページの一般質問をご覧下さい。)
結局、指名業者14社の内、11社が辞退し、3社という話しも、実際には、2社しか応募がなく、一社が何故最終的に辞退したのか理由は不明でした。最終的に市は、総合評価型プロポーザル方式で点数の高かった、仙川の複合施設を設計した安藤忠雄建築設計研究所と契約を締結しました。ここで出された提案内容については、現在市のホームページに掲載されています。 著作権との関係もあり、点数の低かった一社の提案内容については非公開のため、私達はその提案内容を知ることはできません。当然、高得点の業者と内容を比較することもできません。この点も、今回の業務委託の公平性や透明性という視点から考えると、問題と言わざる得ません。

市政経営の基本的な考え方「協働のまちづくりを推進」では、わかりやすい市政情報の積極的な提供、市民との市政情報の共有化が前提条件です!

中心市街地に関わる事業展開について、行政責任者として、市長は議会への情報提供をどう指示したかに対しても納得のいく答弁が全くありませんでした。再々質問にも、その後の質問にも、「プロセスを検証したい」を繰り返すのみで、一般質問の持ち時間1時間も残り1分半弱となったため、私は「議会への正式答弁が出ないのなら休憩を」と発言。議長の判断で「調整のために暫時休憩」となりました。約4時間後に議会が再開して、残り時間内での市長の答弁は「質問の指摘を受け、改めて議会への説明をする」でした。
線路で分断されている3つの駅周辺の南北を一体化し、調布市の顔・玄関を作り上げていく市の歴史に残る大切な事業です。長く駅前が工事中であり、市民は不便な毎日を強いられていますが、どんな駅ができるのか、楽しみに期待して、心待ちにしているからこそ我慢もしています。

質問の答弁の中には、業務受託者は基本的に関連する事業の完了までの一定期間、個々の事業および関連する事業のコーディネーターとしても監理することを検討する旨の発言もありました。
投入される税金も市民生活に及ぼす影響も多大であり、これに関わる業者の選定は、まさに市民の視点に立ち、公平性・透明性を堅持して進めるべきでした。情報提供もせずに、議会を無視して進め、市民への説明責任を果たさなかった今回の募集・選定のやり方には、疑念を抱かざるを得ませんでした。
私は質問の最後に、選定過程を含めた情報公開と、市民意見を取り入れた納得のいく整備を強く求めました。
 
 現在、この業務委託に関して、新たに資料請求しました。その結果、例えば非公開の審査だった点を考慮し、審査に加わった審査員の名簿の公開を求めた所、委員から、匿名の要望があったということで、所属団体しか明らかにされていません。業者を指名するに当たって参考とした契約に関する資料も担当課に不存在とのことでした。まだ検証すべき点が残っています。

 これまでの経過の検証もしつつ、決定したデザインコンセプトの企画についても検討し、調布・国領・布田の駅前広場も含めたまちづくりを、コーディネーター主導ではなく、私たち市民と行政が意思を持って協働して、進めていくための努力もしっかりとしなければと考えています。これからは企業もまちづくりに係わってくる可能性も秘めています。そうした際に、企業との協働という新たな課題も出てきます。 今後、行政からの市民参加への提案があるでしょうが、その中で事業を推進していくためには、作業を通して、相互の「信頼関係」を作り上げていく事が、欠かせない前提条件になっていきます。信頼関係ができる前提は、初期段階からの正確な情報提供にあります。情報が共有されることで、話し合いが進み、合意形成が図られていきます。
 
いずれにしても、これから私達のまちが、未来に向かって大きく動き出します。多くの方が関心を持ち、まちづくりにそれぞれの形で参加していって欲しいと願っています。私達のまちだから、顔を合わせ、共に考え、悩み、話し合い、そして共に汗をかき、一緒に創り、育てて行きたいと思います。
自治の芽を育てていくのは、私達自身の行動にかかっていると、強く感じています。 

猛暑、大きな課題を抱えつつも、市民のためのまちづくりを今後も進めるよう努力していこうと決意を新たにしています。